薄毛の予防には何を食べたらいい?髪を増やす食べ物は?...と食事選びに迷っていませんか。
この記事では、TSD編集部が徹底調査した薄毛予防に効果的な食べ物&栄養素をご紹介!
今回は薄毛治療に詳しい皮膚科医・鶴田先生にご監修いただきました。
この記事の監修協力
西大寺駅前A皮膚科 院長
鶴田 葵 先生
奈良県立医科大学医学部を卒業したのち、きじま皮フ科クリニックへの勤務などを経て、2020年西大寺駅前A皮膚科を開院。日本皮膚科学会認定専門医。
男性女性問わず、薄毛治療~美容医療まで幅広い皮膚科治療を手掛けている。
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この記事のライター
The Style Dictionary編集部
西村 隆平
The Style Dictionary編集部のライター。
脱毛からスキンケア・ヘアケアまで男性の身だしなみ全般について豊富な知識を持つ。最近は育毛ケアにも力を入れている。
Outline
※日本皮膚科医ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017」を参考にしています。
※多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1. 薄毛対策に効果的な食べ物6選|栄養不足で薄毛に
髪の毛の90%以上は硬質ケラチンが構成しています。
体内で合成されるケラチンの主な原料はタンパク質(アミノ酸)・亜鉛・ビタミンの3つ。
この章ではこれらを含むおすすめ育毛食材をご紹介します!
▶薄毛に効果的な食べ物ランキングTOP6
※画像クリックで紹介欄に飛びます。
食品名 | おもな栄養素 |
卵 |
・タンパク質 ・亜鉛 ・メチオニン ・レシチン |
鶏むね肉 |
・動物性タンパク質 ・シスチン ・コラーゲン |
レバー |
・ミネラル ・タンパク質 ・ビタミンA、B群 |
納豆 |
・大豆イソフラボン ・ナットウキナーゼ ・レシチン |
チーズ |
・タンパク質 ・ビタミンA ・L-リジン |
牡蠣 |
・必須アミノ酸 ・亜鉛 ・ビタミンB群 |
薄毛対策に効果的な食品①
▶卵
卵は、髪に必要な栄養素が一つで揃う食材です。
- 髪の主成分ケラチンの合成をサポート
...タンパク質、亜鉛、メチオニン(必須アミノ酸) - 頭皮の血行を改善&発毛を促進
...レシチン、ビオチン
...といった栄養が、育毛と頭皮環境の改善に働きかけます。
薄毛の予防・改善のため1日1個ずつの摂取がおすすめですよ。
▶ 取り入れやすい!薄毛予防メニュー
半熟ゆで卵、納豆+卵
卵黄に含まれるレシチンは熱に弱い性質があります。
60度以上の加熱で壊れてしまうため、調理時は半熟ぐらいに抑えましょう。
薄毛対策に効果的な食品②
▶ 鶏むね肉
良質なタンパク質を手軽に摂取できる鶏むね肉。
- 髪の主成分ケラチンの合成をサポート
...タンパク質、シスチン - 頭皮と髪のうるおい・弾力を保つ
...コラーゲン
...など、しなやかな髪と頭皮の維持に有効な栄養が豊富です。
鶏皮に多く含まれるコラーゲンは、食事から摂取することで髪の太さが増したという研究結果もあります。
▶ 取り入れやすい! 薄毛予防メニュー
サラダチキン
薄毛対策に効果的な食品③
▶ レバー
豊富な栄養で知られるレバーも育毛にはおすすめ!
- 髪の主成分ケラチンの合成をサポート
...タンパク質、亜鉛 - 頭皮の過剰な皮脂分泌を抑えて荒れを防ぐ
...ビタミンA、ビタミンB群
含まれる亜鉛の多さは肉類の中でもトップクラス。
またビタミンAとB群が過剰な皮脂を抑え、脂漏性皮膚炎など頭皮トラブルも予防します。
▶ 取り入れやすい!おすすめメニュー
レバニラ炒め
ビタミンA(脂溶性ビタミン)の摂りすぎに注意!
皮膚科医・鶴田先生
脂溶性ビタミンであるビタミンAは、食べ過ぎると頭痛や皮ふの代謝に悪影響が出る恐れが。
偏食になる毎日・毎食の摂取は避けましょう!
サプリで手軽にとることもできますよ。
薄毛対策に効果的な食品④
▶ 納豆
将来的なAGA(男性型脱毛症)予防が期待できる栄養素が豊富な納豆。
- AGAの原因物質の抑制
...大豆イソフラボン - 頭皮の血行改善
...大豆イソフラボン、ナットウキナーゼ、レシチン
イソフラボンは、AGAの原因とされる5αリダクターゼ(頭皮の還元酵素)の抑制作用をもっています。
また抗酸化作用が血管中の血液をサラサラにして、栄養が行き渡った頭皮環境が整います。
▶ 取り入れやすい!薄毛対策メニュー
キムチ納豆、納豆卵
+カプサイシンで発毛を促進!
皮膚科医・鶴田先生
唐辛子が含んでいるカプサイシンには、IGF-1(育毛・発毛を促す成長因子)の分泌を増加させる効果があります。
相乗効果の高いイソフラボンと組み合わせたキムチ納豆がおすすめです。
薄毛対策に効果的な食品⑤
▶ チーズ
チーズには髪の合成に必要な必須アミノ酸が含まれています。
- 髪の主成分ケラチンの合成をサポート
...タンパク質、L-リジン(必須アミノ酸) - 頭皮の皮脂抑制+新陳代謝の促進
...ビタミンA、ビタミンB2
L-リジンはケラチンの合成に欠かせないため、AGAクリニックでもサプリメントが処方されています。
また脂質の多いクリームチーズよりも、カマンベールチーズやチェダーチーズがおすすめです。
▶ 取り入れやすい!おすすめメニュー
チーズ&ナッツの盛り合わせ
薄毛対策に効果的な食品⑥
▶ 牡蠣
海のミルクとも呼ばれる亜鉛の宝庫・牡蠣。
- 髪の主成分ケラチンの合成をサポート
...タンパク質、亜鉛 - 頭皮の皮脂抑制+新陳代謝の促進
...ビタミンB群、タウリン
亜鉛の含有量は4粒あたり11.6g。これは成人男性が1日に必要な亜鉛10gを補給できる量です。
また髪の合成に欠かせない必須アミノ酸も揃っているので、育毛の最適食材といえますよ。
▶ 取り入れやすい!おすすめメニュー
牡蠣+レモン
どの食材も、普段の食事に一品加えることで手軽に薄毛予防ができる食品です。
お酒のおつまみやサイドメニューなどできる範囲で選んでみましょう!
サプリメントの活用もおすすめです
皮膚科医・鶴田先生
わかっていても食生活の改善はなかなか難しいもの。
亜鉛やビタミンが手軽に補給できるサプリメントも積極的に活用しましょう!
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※医師は商品選定に関わっておりません。 |
2. 実はNG!髪のために避けたい食習慣
毛髪に悪い影響を与えてしまう習慣は、栄養バランスの偏りだけではありません。
ここでは日常生活でやりがちなNG食習慣をご紹介します。
▶育毛のために避けたいNG習慣
・高脂質、高カロリー、糖質の多い食事
・極端な食事制限によるダイエット
・アルコールの飲みすぎ
・寝る前の食事
「どうしてダメなの?」といった理由も学んでいきましょう。
育毛のために避けたい食習慣①
▶高脂質・高カロリー・糖質の多い食事
ラーメンや揚げ物、ファーストフードなど…。
外食では選びがちなメニューですが、
×血行不良による頭皮環境の悪化
×肥満による内臓機能の低下
...といった悪い影響を招いてしまう可能性が。
脂質・糖質の摂りすぎによって血液がドロドロになることが原因です。
育毛のために避けたい食習慣②
▶極端な食事制限によるダイエット
カロリーや脂質・糖質を極端に制限するダイエットにも注意が必要です。
×髪が細くなる・ツヤがなくなる
×抜け毛の増加
...など、髪をつくるための栄養が不足するとさまざまな悪影響が。
栄養バランスのとれた食事で健康的なダイエットを行いましょう!
育毛のために避けたい食習慣③
▶アルコールの飲みすぎ
アルコールを摂りすぎると、
×DHT(悪性男性ホルモン)の増加
×亜鉛不足
といった、AGA(男性型脱毛症)の原因につながる可能性が。
アルコールの代謝時に発生するアセトアルデヒドの働きによるものなので、飲みすぎは禁物です。
▶DHTとAGAの関係についての詳しい解説はこちらです。
「若ハゲの原因と対策は?薄毛になる人の特徴&家でできる4つの予防法を全解説」
お酒は「ほどほどに」楽しみましょう
皮膚科医・鶴田先生
デメリットもありますが、アルコールには頭皮の血流をよくする効果もあります。
アセトアルデヒドも少量なら無害な酢酸に変わるため、適量であればOKです。
育毛のために避けたい食習慣④
▶寝る直前の食事
就寝直前に食事をすると、
×睡眠の質の低下
×毛髪・頭皮の成長を妨げる
など、髪の発育に関わるデメリットがあります。
これは消化のため胃に血液が集中し、酸素と栄養が頭皮にまで届かなくなるから。
目安として、食事は就寝の3時間前までに終えるのがおすすめです。
栄養はもちろん良質な睡眠も育毛には欠かせません。
うまくバランスを整えながら、薄毛になりにくい生活を目指しましょう!
▼他にもおすすめの薄毛対策はこちらで解説!
若ハゲの原因と対策は?薄毛になる人の特徴&家でできる4つの予防法を全解説
3. 『薄毛と食べ物』の気になるQ&A
最後に、薄毛と食べ物に関係する気になる疑問をQ&A形式でご紹介します。
▶薄毛と食べ物・気になる疑問Q&A
Q1. 甘いものを食べると薄毛になる?
Q2. 髪にいい「飲み物」はある?
Q3. サプリメントで薄毛治療はできる?
Q1. 甘いものを食べると薄毛になる?
皮膚科医・鶴田先生
A. 甘いもの(糖分)を食べても薄毛にはなりません。
ただし、生クリームやバターをたっぷりと使ったケーキなどは脂質と糖質が多めです。
食べ過ぎれば頭皮環境の悪化につながる可能性もあるため、少量ずつ楽しみましょう。
またカカオ70%以上のチョコレートは、抗酸化作用があるポリフェノールが豊富でおすすめです。
Q2. 髪にいい「飲み物」はある?
皮膚科医・鶴田先生
A. 豆乳・緑茶などがおすすめです。
髪や頭皮に効果的な栄養素を含む飲み物をご紹介します。
飲料名 | 栄養素 | 期待できる効果 |
豆乳 | ・イソフラボン ・レシチン ・サポニン |
〇男性ホルモンを抑える 〇血液をサラサラにする |
緑茶 | ・緑茶カテキン | 〇頭皮の抗酸化作用 |
コーヒー | ・カフェイン | 〇血行促進 |
特に豆乳はタンパク質も含んでいるため、育毛にはぴったりの飲み物です。
コーヒーの飲みすぎは禁物です
皮膚科医・鶴田先生
眠気覚ましで知られるように、カフェインには交感神経を活性化させる効果が。
・睡眠の質の低下
・皮脂分泌が増える
...などの影響があるため、飲みすぎには気をつけましょう。
1日あたりの目安はカップ(150ml)4杯までと言われています。
Q3. サプリメントで薄毛治療はできる?
皮膚科医・鶴田先生
A. 程度によりますがサプリメントで完全に薄毛を治すことはできません。(予防・治療のサポートならあり)
食品(栄養補助食品)であるサプリメントには、医薬品のように有効成分は含まれていません。あくまで栄養不足のサポートが目的です。
新たに髪を生やして薄毛を治療したい方は発毛剤の服用や外用がおすすめです。
ただし発毛剤のサポートや将来的な薄毛の予防としてなら、亜鉛やL-リジン(必須アミノ酸)などケラチン合成をサポートするサプリメントを選びましょう。
▶ 積極的な薄毛対策には育毛剤・発毛剤の使用もおすすめ!
「男性向け育毛剤おすすめ人気ランキング10選|薄毛に効果的な使い方も解説 」
4. まとめ
ここまで食べ物でできる薄毛対策をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
もう一度、薄毛に効果的な食べ物と避けたいNG食生活をおさらいしましょう。
▶薄毛に効果的な食べ物6点
①卵
②鶏むね肉
③レバー
④納豆
⑤チーズ
⑥牡蠣
▶育毛のために避けたいNG食習慣
①高脂質、高カロリー、糖質の多い食事
②極端な食事制限によるダイエット
③アルコールの飲みすぎ
④寝る直前の食事
内容を詳しく復習したい方は、以下からチェックができますよ。
▶「薄毛に効果的な食べ物6選」
▶「実はNG!髪のために避けたい食習慣」
髪と頭皮にいい食べ物を無理なくとりいれて、薄毛を防いでいきましょう!
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参考文献
・日本皮膚科医ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017」
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・文部科学省 日本人の食事摂取基準2015年度版
・下間早織(2019)「コラーゲンペプチド摂取による毛髪へ及ぼす効果およびコラーゲンペプチドが毛乳頭細胞へ与える影響」薬理と治療 47,12より
・赤田圭司(2006)「納豆の機能性ー納豆と皮膚の関係ー」日本醸造協会誌 101巻10号 p.749-754より
・岡嶋研二「薄毛の食卓」マガジンハウス 2011
レシチンの加熱温度に注意!
皮膚科医・鶴田先生