突然ですがそのスーツ、何シーズン着用していますか?
まだまだ着られると感じているかもしれませんが、実は、寿命が近づいている可能性もあるのです・・・
愛着のあるスーツとのお別れはなごり惜しいことですが、新しいスーツを迎入れる、検討をしなければいけません。
こちらでは、買い替えのタイミングや、買い替えのサインについてお伝えしていきます。
新たなスーツを購入するべきなのか否か・・・の検討材料にお使いください!
Outline
1. スーツの平均使用年数
一着のスーツをケアしながら何十年も長く着る方、一着のスーツを使いまわしてワンシーズンで買い替える方など、スーツの使用状況には差があります。
そのため、○年使ったら買い替えましょう!とはっきりお伝えするのはなかなか難しいものです。
しかし「ズバリ○年でしょう!」という基準が欲しくなるもの・・・
そこで、見つけたのがクリーニング賠償問題協議会が制定した「クリーニング事故賠償基準」というものです。
こちらは、クリーニング業界だけでなく、消費者団体・繊維業界・弁護士・行政など、様々な視点から意見を集めて策定・改訂された基準だそうです。
このクリーニング事故賠償基準内の「商品別平均使用年数表」背広・スーツ・ワンピース類の項目には、
- 夏物(絹・毛)3年
- 夏物(その他)2年
- 合冬物 4年
と記載されていました。もう一つ注目したいのはコチラの記述です。
『平均使用年数とは、衣類などの使用開始から、その使用をやめるまでの平均的な期間をいいます。たとえば、衣類などの使用をやめる理由としては、流行遅れ、着飽きた、似合わなくなった、サイズが合わなくなったなどの理由も含まれているので、平均使用年数は単なる物理的に使用不可能になるまでの期間(いわゆる耐用年数)とは異なります。』
単なる耐用年数だけを示すのではなく、流行遅れ、サイズが合わなくなったなどの理由についても考慮されているところが、消費者目線だと感じました!
さらに詳しく調べるなら、「国民生活センター」や「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」の情報が参考になりますよ。
2. 買い替えのタイミング
スーツの平均使用年数は2~4年ということなので、使用してから2、3年を経過したスーツに関しては、買い替えを検討しはじめる必要がありそうです。
また、時の経過だけでなく
- トレンドから外れている
- たくさん着たから飽きた
- なんだか似合わない
- サイズが合わない
などの変化を感じた時も買い替えのタイミングです。
これらのタイミングに加えて、衣替えのたびに毎シーズン、スーツの状態(次のシーズンも引き続き着用できるスーツなのかどうか)を確認しましょう。
着用が終わったOFFシーズン、これから着用をはじめるONシーズンのどちらもチェックが必要です。大切なスーツを労わるためにも2重チェックを行いましょう。
スーツを買い替えたい方はこちらの記事もチェック!
【2024年最新】おすすめの既製・オーダースーツブランド18選|お店やスーツの選び方まで徹底解説
3. 買い替えのサイン
それでは、次のシーズンも引き続き着用できるスーツなのか、新たなスーツを購入すべきなのか・・・
スーツが放つSOSサインを見逃さないように、チェック項目をご紹介します。「YES」が1つでも当てはまる場合は、スーツの買い替えをご検討ください。
3-1. 生地にテカリがある?
学生時代の制服を思い出してください。学年があがるにつれて、テカテカ光ってきませんでしたか?
あれは、上級生の証で光っていたのではなく、生地の劣化のサインでテカっていたのです。
制服のように「あと1年着たら終わりだから…」とねばることなく、買い替えをご検討ください。
生地のテカリの原因は、生地への摩擦、着用時の圧力、アイロンのかけ過ぎ、などが上げられます。
擦れやすかったり、圧が加わりやすい部分(ひざ・ひじ・袖口・脇下・肩・襟・太もも・内もも・お尻など)は念入りチェックしておきましょう。
3-2. 毛玉や毛羽立ちがある?
テカリとは逆に、生地表面に毛玉や毛羽立ちが目立つ場合もあります。
これらも生地への摩擦や着用時の圧力が原因とされているため、ひざ・ひじ・袖口・脇下・肩・襟・太もも・内もも・お尻の部分に発生しやすくなっています。
生地のテカリ・毛玉・毛羽立ちが進行してしまうと、生地の破れ、裾の先端や袖口の擦り切れ、裏地の劣化などのダメージが広がってしまいます。
着用前には必ず生地の状態を確認しておきましょう。
3-3. ヒザやヒジが抜けている?
スウェットやジャージーでよく見かける現象です。服を脱いで畳もうと思ったら、ひざやひじ部分がポコッと飛び出し、3D状態になっていることありませんか?
この状態を、ヒザやヒジが抜けている(出ている)と呼んでいます。
連続着用や長時間着用により、関節部分の生地に負荷がかかり、生地がたるんだ状態になってしまうのです。
スーツの生地は、スウェットやジャージーほど伸縮性はありませんが、同じような現象が起きてしまいます。
ヒザやヒジの抜け以外の型崩れにも注意しておきましょう。保管状態が悪いとラペル(襟)の返り、肩~バスト~ウエスト部分の曲線などがつぶれてしまい、スーツ全体のフォルムが崩れてしまう場合もあります。
このように型崩れした状態でスーツを着用していると、シルエットが崩れるだけでなく、清潔感がないように見えるので好印象は期待できません。
生地の状態を確認する際に、膝と肘の膨らみも確認してみてください。
3-4. 縫い目がほつれている?
生地に負担がかかっているのですから、当然、縫い目にも負担がかかっています。
ジャケットの脇下や背中、裾上げ部分、パンツの股ぐりや内もも部分は、縫い目がほつれやすく裂けやすいので、よく確認しましょう。
簡単なほつれ直しの場合は、お直しで対応できる場合もありますが、何度も同じ部分を縫い直すことで、生地にダメージを与えてしまい、寿命を早める原因にもなりかねません。
3-5. ファスナーやボタンの機能性が低下している?
生地や縫い目だけでなく、ファスナーがスムーズに動かない、ホックやスナップボタンがかかりにくく外れやすい、ボタン糸やボタンホールが緩んでいるなど付属の部品類も確認してみましょう。
簡単な部品交換で済む場合は、お直しで対応できる場合もあるため、購入店やリフォーム店で相談してみましょう。
3-6. 身体のサイズに合っていない?
身体のサイズに合っていないスーツを着用し続けるのは、スーツ自体に負荷をかけてしまい劣化を早める原因にもなります。
成人になり、身長がグングン伸びることはほとんどないかと思いますが、2、3年も経過すれば多少の『体型の変化』もあることでしょう。
ジム通いで筋肉ムキムキになったり、幸せな日常でちょっぴりふっくらしたりなど、様々ですね。
また、体型変化だけでなく『スーツ自体のサイズ変化』も考えられます。
ヒザやヒジが出てきてしまうように、何度も着用しているうちに生地の一部に伸縮がおこり、サイズバランスが崩れてしまうのです。
これらの原因をふまえて確認する部分としては、
- ジャケットの袖丈、着丈、肩周りや胴回りのフィット感
- パンツの丈、ウエストサイズ、お尻や太もも周りなどのフィット感
など、が上げられます。今の身体に対して適正なサイズ感なのか、着用して確認してみましょう。
また、多少のサイズ変化の場合は、お直しで対応できる場合もあるため、購入店やリフォーム店で相談してみましょう。
4. まとめ
スーツの平均使用年数は2~4年のため、着用開始後2、3年を経過したスーツは買い替えの候補となります。
スーツの状態については、衣替えのタイミングに毎回確認しましょう。
・生地や縫製に劣化はないか?
(テカリ、毛玉、毛羽立ち、ほつれ など)
・身体のサイズに対して適正サイズか?
(パンツの丈やウエストサイズ、ジャケットの肩周りや袖丈 など)
上記ような項目にあてはまりそうなスーツは、買い替えをご検討ください。
次の記事では、お気に入りのスーツを少しでも長く着られるようなコツ、買い替えるタイミングを少しでも遅らせるコツ、についてご紹介します。お楽しみに~!